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地震対策の新常識を:耐震等級2と制振装置の組み合わせ、そして耐震等級3を標準としない理由

地震対策の新常識を:耐震等級2と制振装置の組み合わせ、そして耐震等級3を標準としない理由

近年、日本各地で地震が頻発しており、多くの人々が地震に対する不安を抱えています。特に新築住宅を建てる際には、地震対策が重要な課題となっています。そして、数字的な性能値を追求して、耐震等級3が当たり前の性能に思えてしまう状況とも言えます。

しかし、わたしたちは耐震等級3を標準装備として選ぶのではなく、しっかりと討議を行ったうえで、「耐震等級2に制振装置を組み合わせる」という強さとしなやかさで住まう家族を守り抜くことを標準性能といたしました。こちらの記事では、わたしたちがこの性能を採用している理由とメリット・デメリットについて詳しく解説したいと思います。


耐震等級2と制振装置の組み合わせ

耐震等級2の持つ十分と言える耐震性能

耐震等級2とは、一般的な住宅つまり耐震等級1の家よりも1.25倍の強度を持ち、数百年に一度の大地震にも耐え、倒壊も損傷もしない性能を持った家のことを指します。これは、小学校や病院などと同程度の性能となり、有事の避難所にも指定される性能です。つまり、耐震等級2の性能の住宅は十分に地震に耐えうる性能を持つ住宅と言えるでしょう。
加えてD-GRID HOUSINGの家はこれに制振装置を組み合わせることで、地震の揺れを吸収・軽減し、建物の損傷を最小限に抑えることができるように設計しています。

制震装置で強さに安心を付与する

制振装置は、地震のエネルギーを吸収し、揺れを軽減する役割を果たします。これにより、地震の際の揺れを感じにくくし、地震の最中の家の歪みを抑えることで、外壁のヒビ、破れなどを防ぎ、地震後の修復費用を削減する効果も狙っています。住む人の安心感を向上させ、制振装置の導入が大きな安心材料となります。

耐震等級3を標準仕様として選ばない理由

シンプルな結論は、「耐震等級2相当と制震装置の組み合わせ」つまり、耐震性と制震効果を組み合わせることが、倒壊と崩壊を防ぎ損傷を抑止することを、コストパフォーマンス高く実現できる方法と考えているからです。

耐震等級3は、無論高い耐震性能を持ちますが、その分、構造材などの建築材料コストが大幅に増加します。特に、予算に限りがある場合や、他の設備やデザインにこだわりたい場合には、耐震等級2に制振装置を組み合わせる方がコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるのです。

また、間取りや大きな窓、吹き抜けなどを採用する場合には、耐震等級3の強度担保のためにそのサイズや空間の広さに制限ができてしまうことも、お客様の理想の暮らし方を実現したいと考えているわたしたちにとってはデメリットとなってしまう場合があるのです。

耐震等級3を証明すると得られるもの?

わたしたちは、耐震等級3を満たす性能の家をご選択いただく場合は、「建設住宅性能評価書」「設計住宅性能評価書」「耐震性能評価書」などの認定取得。つまり、その性能を証明、担保できる仕様書を外部機関から取得させていただくことをおねがいしています。これらの書類を発行するためには概ね40万円程度の費用が必要になります。

ただ、この他に、「適合証明書」を取得することで、フラット35が利用可能にはなります。住宅ローンの金利を抑える方法もありますが、今日現在の一般的な住宅ローンでは変動金利をお選びいただくことが多く、金利相場がフラット35より幾分低いので、このメリットは少ないかもしれません。
また、上記書類で地震保険の優遇を受けることもできます。耐震等級3の割引率が50%ですが、地震保険は概ね年間2万円程度のことが多く、耐震等級3の仕様を獲得するためにかかったコストを回収するには、ちょっと時間がかかりすぎる印象です。
もう一つ、確定的ではないものの、建物の評価額が上がることがあります。この評価額は、売却するときにはメリットになり得ますが、固定資産税が上がってしまうことも視野にいれる必要があることもあるのが耐震等級3という性能です。

耐震等級2+制震装置で解消できる!

一方で、「耐震等級2相当」の場合は、わたしたちは、認定書を必須としていません。
当社では、耐震等級2取得の構造事例を沢山持ち合わせていますので、同等の以上の性能をつくることはある程度容易です。(ましてやグリッドデザインはそれを狙った設計手法です。)

耐震等級2の認定取得についてはお客様にご信頼いただくことができれば、それを必須とせず、申請書類の作成、申請に関わる費用も軽減可能です。

認定取得のメリットも多くない状況です。この「耐震等級2相当+制震装置」を基準に考え選択することは、お客様にとって、耐震面を考慮した建物強度を担保し、制振装置を用いて損傷を防ぎながら、安心を得ながらも、コスト的なメリットが享受できる。というのがわたしたちの判断です。


耐震等級2+制震装置のメリット・デメリット

メリット

  • 地震への強さ:
    避難所として使われる学校や病院と同等の耐震性能を持つ安心感
  • コストの削減:
    耐震等級3と比べて建築コストや、申請コストを抑えることができる
  • 安心感の向上:
    制振装置により、地震の揺れを軽減し、倒壊・損傷しないことに加え、住む人の安心感を高めることができる。
  • 修復費用の削減:
    耐震等級2の性能に加えた制震ダンパーの効果により地震後の修復費用を最小限に抑えることができる
  • 設計施工期間の短縮:
    耐震等級2に制振装置を組み合わせることで、設計期間と建築期間、申請などにかかる時間を低減できます。
  • 窓設置の自由度向上:
    耐震等級3に比べて構造をシンプルに保てるため、窓の配置を始めとし、やデザインの自由度は高くなり、大きな窓の採用も可能です。採光や通風の面でもメリットがある

デメリット

  • 耐震性能の限界:
    耐震等級3のみと比較すると、耐震性能は若干劣る。

結論

耐震等級2に制振装置を組み合わせることで、コストを抑えつつも高い耐震性能を実現することができます。家族の安全を守りながら、予算内で理想の新築住宅を実現するための賢い選択肢と言えるでしょう。

耐震等級2と制振装置の組み合わせは、地震対策として非常に有効です。ぜひ、新築住宅の計画において参考にしてみてください。地震に強い家づくりを目指し、安心して暮らせる住まいを実現しましょう。

Written by

Kenich Omori
D-GRID HOUSING – Producer
大手アパレルメーカなどを経て当社ローコスト住宅ブランド「ニコニコ住宅新潟」と注文住宅ブランド「グリーンスタイル」での販売経験から、新たに D-GRID HOUSING を立ち上げる。
D-GRID HOUSING プロデューサー 大森健一

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